通常総会を終えて~コロナ禍の中でSDGsの理念を望みながら 

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去る5月28日に令和3年度通常総会を開催しました。来賓に市場開設者から山本克也福島市副市長をお迎えし、事業計画及び予算案、役員補選等の全議案が満場一致で承認されました。また、引き続き会長職を担うことになり、改めてこの重責に身が引き締まる思いをしているところです。

さて、今年度も極めて重要な1年となります。

東日本大震災からの早期復興のリーディングプロジェクトとして整備が進められてきた相馬福島道路(東北中央自動車道)は、去る4月に全線の整備が完了しました。相双地域と県都福島市とを直結して交通の大動脈となる約45kmの高規格道路は、福島県沖の本格操業及び浜の復興を推進する大きな力となるものであり、年間を通し安定した物流機能により、当卸売市場の集荷・配送等の流通にも大きなインパクトを与えています。

延期されました東京2020オリンピックの野球・ソフトボール競技は、7月に県営あづま球場で開催予定となり、依然として継続している原発事故に起因する様々な風評被害払拭を目指す福島県と福島市のイメージアップに大きな役割を果たすことが期待されています。

 地域振興施設「(仮称)道の駅ふくしま」については、東北中央自動車道等広域交通ネットワークを利用した福島市の新たなにぎわい拠点として、来春のオープンを目指し着実に整備が進められており、当卸売市場は当施設との緊密な連携を進めることにより、新たに大きなニーズを獲得する可能性を秘めています。

 開場から49年を迎え老朽化が進む当市場施設の再整備に関しましては、昨年に開設者から従来の「大規模改修」を「PFI事業方式によるローリング整備での新設」に方針変更することが示され、本年度は「PFI導入可能性調査」等が行われる予定です。

「新設」による再整備が遅滞なく進行し、現代の卸売市場に必須として求められている低温管理やハサップ対応等の機能が強化された市民のための「新卸売市場」が一日でも早く完成しますよう、今後も開設者と共に取り組んでまいります。

 また、現在世界で提唱されている「SDGs:持続可能な開発目標」について、福島市においては本年5月に内閣府から「SDGs未来都市」に選定され、SDGsの理念に沿った経済・社会・環境の施策を展開し、創造的で持続可能な地域社会の構築を目指すとされており、当卸売市場におきましてもこの取組みが必要と思っております。

以上のように、現在、当卸売市場は内外の大きな環境の推移の中に置かれておりますが、これらは絶好の機会であり、当市場の喫緊の課題である再整備におきましても、福島市の「SDGs未来都市」の理念を望みながら具体的な取組みを行っていくことが、当市場の経営伸展にあたり大きなチャンスであると考えております。

一方、新型コロナウイルス感染症については現在全国でワクチン接種が進められ、本市におきましても集団接種の拡充等鋭意取り組みがなされておりますが、この感染症に対する完全な終焉は未だ見通せていません。

新型コロナウイルスとの闘いは、今後も継続を余儀なくされますが、県都福島市及び県北地域一円の市民のためのこの卸売市場を守り抜くため、本年度も感染症予防対策に徹底して取り組み、引き続き青果部・水産物部・花き部が一丸となり、この未曽有の歴史的難局を乗り切っていくと固く決意しているところであります。

令和3年6月1日