ベラルーシ視察から~食育教育の大切さ

久家 雅子さんの写真

 震災から早くも2年。それぞれ復興への道へと歩んでいるはずだが、目に見えない放射能との戦いは様々な形となっている。
 福島が「農業王国」と言われる所以は、桃・梨をはじめ、他の果物やキュウリなど生産量がいずれも5位以内に入っているという事実からである。
 しかし、震災後いちはやく土壌を除染、改良し、すべての品目の放射線値を測定して流通させ、日本一、いや世界一安全な食を出荷しているにも関わらず、風評被害の払拭と信頼の回復には至っていない。
 ベラルーシでの視察から得たこと。それは子ども達への食育指導だった。
 秋の収穫を祝い、食の大切さを学ぶ…。日本人が忘れてしまった「食の原点」をベラルーシに見たような気がした。
 旬のものを食べる、バランスの摂れた食生活は自分自身の健康管理、病気の予防にもなる。
 豊かな食に溢れ、好きなものを好きなだけ食べることができる「崩食」の時代となってしまった今、旬の野菜、魚が何であるかも忘れ去られてしまっている。
 しかし何より忘れてならないのは、その土地、風土気候に合ったものが育ち、そこに住む人々は、それらを食べて生かされているということである。ベルラーシの人々は食の検査体制を確立し、27年頑張ってきた。ベラルーシで5年かかって構築してきたことを福島では1年でやっている。
 放射能と共存していくという事実と覚悟、そして情報と知識を得ることによって、安心を確立することが大切なことである。少なくても世界一安心な「食」を全国に発信している「フクシマ」で生活している私達の食の安心は守られていることには間違いない、と、ベラルーシの視察から確信した次第である。