みしらず柿

みしらず柿

みしらず柿

 柿はカキノキ科カキノキ属の落葉樹です。原産地は中国。「古事記」「日本書紀」にも出てくることから奈良時代からなじみのあった果物と言われています。日本で今栽培されているものは、明治時代に始まったものです。

 福島を代表する生柿、「みしらず柿」。漢字で書くと「身不知柿」。会津地方特産の「身不知柿」は「枝が折れてしまうほどたくさんの実を付ける」。身の程知らずと言う事からその名がついたと言われています。

 みしらず柿はもともとは渋柿です。渋抜きの方法はアルコール(焼酎)やエチレンガス、炭酸ガスを使います。アルコールでの渋抜きは約2週間かかります。時間をたっぷりとかけた分、果肉はまろやかな甘さと食感が味わえます。ガスによる渋抜きは4日から5日と短い為、パリッとした食感が残ります。(渋抜きの日数はその年の気温等で若干異なります。)10月の下旬に収穫、ちょうど今頃柿たちは、焼酎かガスの中で甘~く変身している最中でしょう。11月上旬から出回ります。アルコール抜きも出揃うのは11月下旬になるでしょう。

 今年は柿の色付きが例年より遅れ、収穫時期もやや遅くなったようです。大きさは十分立派な実を付けていました。

 柿はビタミンCが豊富です。日本の果物の中ではトップクラス。カロテン、ミネラル、食物繊維も豊富なので風邪や貧血予防、血圧降下も期待できます。とくにカロテンの一種クリプトチサンチンとリコピンは抗ガン作用があるといわれています。

 渋みの元のタンニンはアルコール分解作用があります。年末年始にかけ、お酒を飲む機会が多くなってきます。二日酔いの朝はぜひ柿を食べましょう。

 ちなみに福島県の柿生産量は全国第6位。みしらず柿、食べてみてはいかがでしょうか。実りの秋の代表格「柿」たちが待っています。