地域の皆様に支えられて52年 ~市場を取り巻く環境の変化に対応し、地方卸売市場としての使命を果たして参ります~

0001 (1)

 新年あけましておめでとうございます。昨年は、新型コロナウイルス感染症の5類移行などで、当市場を取り巻く社会情勢も、快方へ向かう期待が膨らむ前半でしたが、東京電力福島第一原子力発電所事故以降、増え続ける処理水については、8月24日に海洋放出が開始され、それまで行ってきた風評払拭の取り組みについて、より一層の強化が求められた1年となりました。

 そこで福島市場では、市場で取り扱う本県産農水産物の安全性をより強く発信するために、一昨年再開した「わくわく市場まつり」について、例年の10月開催に加え、処理水の海洋放出前の7月にも開催し、本県産農水産物の「安全、安心」と「美味しい、美しい」を、より広く、より強く発信してきたものであります。

 しかしながら中国など一部の国では、本県のみならず国内産の水産物等に対する科学的根拠のない輸入規制が、現在も継続しており、官民が連携した風評払拭への取組は、本年も引き続き必要と考えております。

 また、昨年は風評だけでなく、夏季には同じ県北地方の伊達市梁川地区において、最高気温40度を記録するなど、猛暑の1年となり、各地の農作物の生育にも大きく影響を受けた1年でした。国連ではもはや、地球は温暖化の時代から、沸騰化の時代に移行しているとの警告も発せられています。

 そのような当市場を取り巻く厳しい環境の中ではありますが、福島市場は市民の皆様に安定的に良質な農水産物をお届けするため、本年も引き続き取り組んで参ります。

 当市場は、ほぼ毎日昼夜を問わず稼働している施設であり、多くの市場関係者の車両が出入りしております。また、「わくわく市場まつり」においては、市場開放日として、多くの市民の皆様にご来場いただいております。

 一方で地域の皆様には、この福島市場があることで、交通渋滞等、少なからず影響を及ぼしていることも痛切に感じております。地域の皆様のご理解をいただきながら、当市場が稼働していることに改めて感謝し、今年も引き続き当卸売市場の運営を進めて参りたいと思います。

 当市場は、開設52年目になりました。施設の老朽化の進行も著しく、市場の再整備が喫緊かつ重要な課題です。一昨年始まりました市場再整備基本計画の策定については、今年度末には策定が完了する見込みと聞いております。

 福島市場の再整備事業には、地方卸売市場としての機能をより強化し、次の時代のニーズにも対応し得る、市民サービスもより充実した市場づくりが求められています。

 今年は市場再整備基本計画の策定から、新たな段階に進む大事な一年です。この大きな事業を、開設者である福島市とともに進めて参ります。

 最後に、この一年が皆様にとりまして希望にあふれ、輝ける年になりますよう、心よりご祈念申し上げまして、新年を迎えての、私からのご挨拶とさせていただきます。

令和6年1月1日