“がんばっています” 福島の花

橋本栄市氏の写真

 東京電力福島第一原子力発電所の事故から早くも2年9か月が経過した今も、福島の花卉業界には大きな爪痕が残っています。
 震災以降、全村避難となった飯館村をはじめ夏から秋にかけての重要な産地からの入荷が無くなり、新規の産地を開拓して対応してきましたが、買参人からは「早く飯館の花がほしい」との声が絶えませんでした。
 今年、念願だった飯館村の花卉生産者が避難先で花の栽培を再開、そして出荷。待ちに待った時が来ました。村内での栽培はまだできませんが、避難先においてきれいな花を生産し、出荷していただきました。土も変われば気候も違う避難先での生産には、計り知れない苦労があったと思いますが、これからも協力し、共に花業界の発展に貢献してまいります。
 先日、当市場において『第21回福島県鉢花品評会』が盛大に開催されました。これは、県内の鉢花生産者の生産技術の向上を目的に毎年開催しているもので、今年もシクラメンの部、ポインセチアの部、その他の鉢花の3部門に分け、比較審査によって賞が決定されました。重油、関連資材の高騰など、切り花、鉢花生産者にとって厳しい生産状況の中、高品質の鉢花が156点出品され、なかには東日本大震災によりハウスが流された生産者の出品もあり、少しずつでも復興していることに実感がわいた次第です。東北6県の品評会は仙台で開催されますが、上位入賞者は福島県の生産者が多く、全国的にみても福島県の品質の高さが評価されております。また、昨年より鉢花品評会において『私の一番好きな花』コンテストも同時開催しており、一般の消費者の皆さんに見て頂ける場もありますので、是非来年はご来場いただきたいと思います。
 最後に、福島県内にはたくさんの花生産地があります。各生産者が精魂込めて栽培した花々を、是非ご家庭でも鑑賞して楽しんでいただけるよう、卸会社として頑張っていく所存です。

※年明け1月18日、19日には、華道家元池坊福島支部青年部による震災復興を目指す子供たちの花展「花・遊・友-2014-」がホテル福島グリーンパレスで開催されます。
協会でも花材の提供を含めて応援して参ります。

平成25年12月18日