果樹王国ふくしまを守りたい

モモ・ナシに続きカキ・ブドウ・リンゴへの風評懸念も!

星勇氏の写真 産地市場として、「安全・安心・新鮮~風評被害に負けない!」をテーマに9月1日に開設した市場協会のホームページには多くの反響がありました。今後も分かりやすく、役立つ情報の発信に心がけてまいります。

 さて、私たちは「果樹王国ふくしま」の産地市場です。原発災害に伴う風評被害はますます深刻化しております。8月の主力品「モモのあかつき」の市場価格は例年の半分以下でした。東京・神奈川の13卸売市場では平均1キロ当たり195円で昨年同期の55%減で、1キロあたり100円を割れば、生産農家の手取りはゼロだといわれております。ナシも現段階で他県産より安く推移しておりますし、今後のカキ・ブドウ・リンゴなどへの影響も懸念されます。

 いま消費者意識は「食品衛生基準法の放射線量暫定基準値内であれば大丈夫」から「未検出でなければ安心できない」と見えます。そうであれば福島県内の産地支援はもとより長年かけて築きあげてきた「果樹王国ふくしま」は崩壊いたします。

 これは、果樹だけではなく、野菜ほか本市場が扱う水産、花き、すべてに言えることであります。

 これまで、国策として日本の食料自給率向上を食育も含め頑張ってきたところでありますが、風評被害が続けば若者をはじめとする農林水産離れも加速しかねません。国策の根本が崩れてしまいます。原発災害にいつまで苦しめばいいのでしょうか。これまで以上に解決への国の強いリーダーシップを求めたいと思います。

 私たちは、産地市場として、まず基準に基づく安全・安心・新鮮な品目の確保に万全を期します。様々な考え方があることは承知のうえです。どうぞ、市民・消費者の皆様には、産地で一生懸命汗を流し働いている生産者の方々を思い購入いただき、いっぱい食べていただき、産地支援・復興のためにご支援いただけますようお願い申し上げます。