夢と誇りと活気ある市場をめざして

会長 石本 朗

 平成25年の新たな年を迎えました。年頭にあたりこの一年が皆様にとりまして希望に満ち、幸多き年となりますように祈念いたします。

 昨年は、市場開設40周年記念事業「わくわく市場まつり」「記念式典・祝賀会」をはじめ、各種記念事業に多くの市民・消費者、また関係者の皆さんにご参加をいただき盛大に開設40周年を祝うことができました。今年も引き続き「安全・安心・新鮮」をモットーに様々な事業を展開してまいります。ご支援方よろしくお願い申し上げます。

 さて、本年は巳年です。『漢書律暦志』では、草木の生長が極限に達して次の生命が作られはじめる時期と解釈されています。

 表題とした「夢と誇りと活気ある市場をめざして」は、昨年12月に策定した市場協会中期ビジョンのサブタイトルです。「若手社員・職員に夢を、公設市場を守る誇りを、そして何よりも市場に活気を」の思いで創った5か年のビジョンです。原発事故による食への不安や風評被害は続いています。全国からの支援の動きもありますがなかなか取扱いが震災前にはもどってくれません。しかし、このビジョンには場内から数多くの意見や提案が寄せられました。まさしく、巳年が意味する新たな活性化への種子ができ始めています。

 市場開設41年目、巳年。私たちは、卸売市場の使命である市民・消費者の台所を、また豊かで潤いのある生活を守ることを第一義に、将来に亘ってその中心的な役割を果たせるよう夢を形にすべく全力をあげて取り組んでまいります。

 

平成25年1月1日

大きな一歩を踏み出します!!

松谷治夫氏の写真

 新年明けましておめでとうございます。

 昨年 開設者である福島市では、東日本大震災と福島第一原発事故による放射能問題への対応に総力を挙げ取り組み復興を進めて参りました。

 特に原子力災害に関しては、除染のスピードアップと仮置き場の確保により生活空間における放射線量を低減すること、子どもを最優先に市民の健康を放射能から守ること、そして食の安全を確保することなどを最優先の課題とし、安全で安心して暮らせる環境の実現に努めて参りました。

 当市場でも食の安全・安心をゆるぎないものとするために、生産段階等での検査に加え、場内関係者の協力を頂きながら入荷前食料品の放射能検査をダブル、トリプルで実施するとともに検査結果を迅速に公表し、また比較的に低線量ながらも食を扱う公共施設として先んじて除染作業を着実に実施し更なる安全・安心を図って参りました。

 また風評被害の払拭については2度にわたり市場パネル展を催し、イメージ回復のため積極的なPR活動を行い、来場した大勢の方々から心温まるご声援をいただきました。

 当市場開設40周年記念の「わくわく市場まつり」では、食に対する市民・消費者の関心の高まりを的確に捉え、工夫を凝らした取り組みが奏功し、例年にない大盛況となり、我々の自信にも繋がりました。

 引き続き挙行された記念式典・祝賀会も成功裏のうちに終了できました。

 さて国は「第9次卸売市場整備基本方針」(平成22年10月)で、卸売市場が変化する情勢に呼応しその機能を十分に発揮していくため、開設者が市場関係者と一体となり、経営戦力的な視点をもって市場のあり方や運営方針等を示した経営展望を策定するよう示しています。

 こうした点を踏まえ当市場では、昨年8月に「市場のあり方検討委員会」から提言を受け、市場の活性化を図るとともに、品質管理の向上、物流の高度化、市場機能の強化、効率的な管理運営、災害に負けない市場を目指すための方策を盛り込んだ、平成29年度を目標年次とする「中期経営プラン」を本年2月に策定予定です。

 策定後はハード、ソフトの両面から機能強化を行うとともに、市民・消費者の食の安全・安心への期待や、生産者や実需者の多様なニーズに応えることで、今後も当市場が生鮮食料品等流通の中核として最大限、努力して参ります。

 迎えました新年、福島市は「希望ある復興」を引き続き進めるため、力強い復興への大きな一歩を踏み出して参ります。

 特に今年は東北地方の県庁所在都市の6大祭りが競演する東北六魂祭が本市で開催されますので、当市場といたしましても福島県全体の復興に向けての大きな弾みとなるようしっかりと取り組んで参ります。

 結びに本年が皆様にとりまして、幸多き年となりますよう念じ、ますますのご発展とご健勝をお祈りして年頭の挨拶とさせていただきます。

平成25年1月1日