令和7年度通常総会を終えて ~混沌とした社会経済情勢において、福島市場は開設者とともに 市民生活を支える卸売市場づくりを進めます~

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 去る5月30日、当市場協会は理事会及び通常総会を開催し、令和6年度の事業報告及び収支決算報告、令和7年度の事業計画(案)及び収支予算(案)等の全議案について承認をいただき、福島市場の53年目が始まったところです。

 昨年度、福島市場の取扱数量及び金額については、減少傾向が一部強く見られておりますが、概ね微減となっております。 

 不安定な国際情勢、燃料費の高騰や円安などに端を発した物価の高騰が、福島市場へも一部波及しておりますが、今のところ当市場の卸売実績を大きく左右するところまでの影響は出ておりません。

 しかしながら、昨年度より始まった日本人の主食である米の価格高騰は、市民生活への影響が極めて大きいものであります。

 米作は農産物である以上、今までも気候変動などによって、豊作・不作・凶作などが繰り返されておりますが、去年から今年にかけての米の価格高騰は、今まで経験したことのない異常な状態です。

 このような状況においても、市民の皆様に世界一安全・安心で新鮮な生鮮食料品等を、安定的に供給している福島市場は、開設者とも連携し、市民のための卸売市場としての役割を、全うしなければなりません。

 本年は東日本大震災、福島第一原発事故から15年目になります。浜通りを中心とした12市町村の復興、避難者の帰還推進等の施策は、国の復興関係予算の活用などによって、一定の進捗が見られております。

 福島市も避難指示こそありませんでしたが、放射能の不安を抱えながらも市民は福島市に残り、ふるさとの生活環境の回復のため、復興復旧に努めてきました。そんな福島市に住み続けている我々も被災者であるということを、国には、その思いを訴えていかなければならないと思っています。

 一方、当市場の喫緊の課題である市場再整備については、基本計画が策定された昨年度以降も、場内の費用負担等に関して協議が続けられてきましたが、まだその結論には至っておりません。

 近年続いている建設工事費の高騰によって事業費は上昇し、場内の費用負担が増えることが懸念されます。

 以上のような社会経済状況において、福島市場の各事業者は、この市場再整備事業に直面しており、この事業に取り組む意欲に動揺が見られます。

 とはいえ、市場再整備は今後も市民に安全・安心で新鮮な農水産物を供給していくために必須の事業です。53年目となる当市場ですが、当面は必要最低限、安全安心で快適な職場環境の維持に努め、現施設の長寿命化を図りながらも、我々市場関係者は今一度、市民のための市場であることを前提として、新たな市場づくりのために、引き続き開設者とともに場内一丸となって取り組んで参ります。

令和7年6月1日