去る5月29日、福島市公設地方卸売市場協会は、理事会及び通常総会を開催し、提出した全議案について承認され、福島市場の54年目が始まったところです。
昨年度末の令和8年3月11日、福島市場は東日本大震災及び福島第一原子力発電所事故からちょうど15年という節目の日を迎えました。しかし、福島県民そして福島市場にとって、その日は未だ通過点です。本県の復興において、最難関かつ最重要課題である福島第一原発の廃炉は、まだ入口の段階です。当市場としては今後もその進捗状況を注視し、引続き復興に向けた取組を続けていかなければならないと考えております。
そんな中、海外に目を向ければ、米の第二次トランプ政権による関税政策によって、世界経済に混乱がもたらされました。さらに本年2月には、中東において、核開発などをめぐり対立してきたイランとの間で軍事衝突が発生し、今日まで続いている中東ガザ地区の紛争や、ロシアによるウクライナ進攻などとともに、国際情勢は、その先行きに不透明感が強まってきております。
これらの紛争や軍事衝突の当事国は、自らの正当性を主張する一方で、そもそもの原因は相手国であるという責任のなすりつけ合いが日常化しております。関係各国が相手を屈服させるまでという考えを捨て、協調の道を選択しなければ、収束は見えて来ないのではと思っています。
一方、我が福島市場に目を転じれば、50年以上経過した市場の再整備という大きな課題を抱え、一昨年基本計画の策定が完了したものの、いまだ開設者の福島市と場内との合意が成立しないまま現在に至っております。
両者の主張には、隔たりが決して小さくはありませんが、我々場内事業者は、引き続き思いを共有して対応していかなければなりません。皆が企業として収益の確保を求めながらも、市民の台所としての福島市場の役割を認識し、さらに市場再整備という喫緊かつ共通の課題に向かっていくことが重要です。場内においてこの意識に差が出てしまうようでは、市民に期待、信頼される卸売市場づくりはできないと思います。
中国の故事で、古代の思想家「孔子」の言葉に「無信不立」(むしんふりゅう)という言葉があります。孔子は「信なくば立たず」、国民の信頼が無ければ国は成り立たないという言葉を残しました。まさに当福島市場にもこの言葉があてはまると思います。
福島市場には多くの事業者が存在しますが、各社が互いに信頼関係で結ばれ、今まで通り「安全、安心、新鮮な食料品等を、安定的に適正価格で市民に提供する」という福島市場の役割を場内で共有し、これからの市場経営に臨まなければ、市民から信頼される市場づくりはできないということです。 当市場協会は、先の通常総会において役員改選案が承認されました。新体制においても、我々市場関係者は今一度、市民のための市場であることを心に刻み、市民に信頼される新たな卸売市場づくりのために、引き続き開設者とともに場内一丸となって取り組んで参ります
令和8年6月1日
