福島の再生のために

松谷治夫氏の写真 新年明けましておめでとうございます。

 旧年中は、本市場に対しまして温かいご理解・ご協力を賜りましたこと、心より厚く御礼申し上げます。

 昨年3月に発生した東日本大震災の際には、交通やエネルギーが途絶する中、すべての市場関係者が不眠不休で物資を供給し続け、市民生活を支えて頂きましたことは感謝に耐えません。本当にありがとうございました。

 迎えた本年、本市では「希望ある復興」を理念とし、「子どもからお年寄りまで暮らしてよかったと実感できるまち」の実現を目指す復興計画基本方針に基づき、原子力災害と地震災害からの速やかで力強い復興を進めています。

 本市場におきましては、食の安全を確保することと、本市の農産物などへの風評被害を払拭することを最重要課題として、安全で安心な生活を一日も早く取り戻すことができるよう努めてまいります。

 さて本市場は、昭和47年に、青果部と水産物部からなる市場としてオープンし、今年で40周年を迎えることになります。

 この間、社会経済情勢のめまぐるしい変化の中にあって幾多の試練を経ながら、平成15年には花き部を開設し、今日に至るまで名実ともに本市をはじめ周辺地域を対象に約70万人の総合市場として美味しい生鮮食料品や美しい花を届けてまいりました。

 節目であり復興元年の今年、市場関係者はもちろんのこと、市民の皆さまとともに、農産物等をとおして福島の再生のため、「福島は元気です」を力強く発信し続けることで、全国の方々に「福島は大丈夫!」と思って頂けるよう、精一杯頑張ることをお約束したいと思います。 

 今年一年が皆様にとって幸多き年でありますよう心からご祈念申し上げ、ごあいさつといたします。

平成24年1月1日

キンメダイ(金目鯛)

キンメダイ(金目鯛)の写真

 キンメダイ目キンメダイ科の魚です。名前のとおりきれいな朱色の体色をしており、金色に輝く大きな目が特徴で30から50センチメートル位の大きさになる魚です。タイという名前が付いていますがタイ科の魚ではありません。
 水深300から800メートルの海底に生息する深海制の魚ですが、このような姿からマダイの代わりに祝い魚として使用する地方もあるようです。
 茨城県以南の太平洋沿岸の各地で獲れ、台湾・フィリピン沖・メキシコ湾にも分布しているので、一年中ほとんど切れ目なく市場に入荷していますが、旬は何といっても冬場の11月からの寒のうちが脂肪も乗って美味しい時期です。

(株)福島丸公 鈴木 茂幸

マダラ(真鱈)

マダラ(真鱈)の写真

 マダラは北半球の寒帯に広く分布し、日本では東北・北海道で採れます。
 体長1メートル以上になります。 食欲がとても旺盛で、いつもおなかが膨れているところから「タラフク」という言葉ができました。
 外海を回遊する「オキダラ(沖鱈)」と、岩場に住みつく「ネダラ(根鱈)」がいます。
 普段は深海にいるので沖合いの底引き網で漁獲しますが、冬に産卵のため浅瀬に来るところを刺し網や延縄(はえなわ)でも採ります。
 水分が多く身が柔らかいので、淡塩で身を締めて「シオダラ(塩鱈)」としても流通します。

(株)福島丸公 鈴木 茂幸

「市場パネル展」開設

市場流通品の情報発信ステーション「市場パネル展」を開設しました。

市場パネル展の写真 福島市中央卸売市場では、この度の原発事故による市場流通品への風評被害の払拭と消費拡大を目的に「市場パネル展」を開設いたします。
 パネル展では、当市場で取扱う生鮮品(青果物・水産物・花卉類)の安全性についての資料をはじめ、放射能検査状況の紹介や産地の現状のほか、市場で行う事業の紹介など、各種情報の発信を行います。
 また、市場食堂「大晃(たいこう)」も一般に開放され、どなたでもご利用していただくことが出来るようになりました。皆様のご来場をお待ちしております。

 開催の詳細は次のとおり。

開催期間

平成23年12月1日(木)から平成24年3月31日(土)

開催日時

市場開場日(TOPページの市場カレンダー参照)
午前10時から午後5時まで(土曜日は午前10時から正午まで)

開催場所

福島市中央卸売市場 管理棟1階(旧東邦銀行市場支店)
※正門入口を入って右側の建物です。

その他

パネル展開催期間中は、「安全・安心・新鮮」な食材メニューを提供 する場内食堂「大晃(たいこう)」もご利用いただけます。
※ただし、「大晃」の利用時間は、午前11時から午後2時までとなります。

お問い合わせ

市場管理事務所 電話:024-553-1211
市場協会 電話:024-553-3431

福島の青果業界の現況

理事長 佐藤敏雄の写真 3月11日から早くも9ヶ月が経とうとしております。 これまで当市場は、県北地方の農産物の卸売拠点として県内は元より全国からの集荷販売をしてきました。

 ところが放射能汚染による出荷停止・制限等で売上の減少を余儀なくされ、従って粗利の減少で苦しんでいるところであります。

 加えて風評被害も重なり経営環境の悪化を危惧しております。  そんな中、消費者の皆様に安全・安心を伝えるべく市場内にパネル展示・ホームページの開設等、市場協会一丸となって取り組んでいるところです。

 今後は、市を始め県の行政の方々と更なる連携を強化し、当市場取り扱い農水産物の安全安心は元より、風評被害払拭に努め広く消費者の皆様方に情報の発信をしていかなければならないと考えております。

平成23年12月1日

ダリア

ダリアの写真 ダリアはキク科ダリア属の多年性植物です。開花時期は夏から秋にかけてですが、ビニールハウスでの施設栽培で周年出荷されています。花色は大変多く、スタンダードな赤、白、ピンク、黄、から珍しい複色系、色の変わる品種など、多様です。華やかさでブライダルなどにも人気の花です。
 主要な産地は地元福島県の他、山形県、岩手県などから出荷されています。当市場としても「地産地消」のPRとして、JA新ふくしまのダリアを主役とした生け花作品の展示などの取り組みをしています。
>>花卉の地産地消PRイベント開催

花卉の地産地消PRイベント開催

展示の様子の写真 平成23年10月29日(土)・30日(日)の両日、JA福島ビル1階におきまして、華道家元池坊福島支部引立教授「大宮ミエ」先生の御指導のもと、JA新ふくしまアグリカレッジ女性部員の皆様によります、ふくしまのダリアを主役とした作品10品を展示いたしました。

展示の様子の写真

プリンセチア

プリンセチア プリンセチアはトウダイグサ科ユーフォルビア属の植物です。ポインセチアと同じように短日処理をして、葉を紅葉させて、華やかなピンク色を出しての出荷となります。
 育て方は、6度以上の室内で日あたりのよい窓際に置いて、水やりは土が乾いてきたらあげてください。湿気には弱いので、鉢皿に水がたまらないようにしてください。
 主要な産地は地元福島のほか、茨城県から出荷されています。

カキ(柿)

真

 柿はカキノキ科カキノキ属の落葉樹です。原産地は中国。「古事記」「日本書紀」にも出てくることから奈良時代からなじみのあった果物と言われています。日本で今栽培されているものは、明治時代に始まったものです。

 福島の代表する生柿は「平核無柿(ひらたねなしかき)」と「身不知柿(みしらずかき)」が上げられます。両方ともに渋柿です。渋抜きの方法はアルコールやエチレンガス、炭酸ガスを使います。 会津特産の「身不知柿」は「枝が折れてしまうほどたくさんの身をつける」。身の程知らずと言う事からその名がついたと言われています。とろけるような甘さと食感。まさに福島を代表する柿と言えるでしょう。「平核無柿」は果肉がなめらかで、たいへん甘~い柿です。まろやかな口当たりが人気の柿です。
    
 柿はビタミンCが豊富です。日本の果物の中ではトップクラス。カロテン、ミネラル、食物繊維も豊富なので風邪や貧血予防、血圧降下も期待できます。とくにカロテンの一種クリプトチサンチンとリコピンは抗ガン作用があるといわれています。渋みの元のタンニンはアルコール分解作用があります。お酒好きの私にとってもたいへんありがたい果物といえます。二日酔いの朝はぜひ柿を食べましょう。

 ちなみに福島県の柿生産量は全国第6位。あんぽ柿の生産が自粛の今年、生柿を食べてみてはいかがでしょうか。実りの秋の代表格「柿」たちが待っています。